注意!一般の栄養ドリンクは疲労ではなく疲労感を解消しているドリンクです
新年度のバタバタ、少しは落ち着いた頃でしょうか。新しい環境で疲れているとき、栄養ドリンクにお世話になったという方もいらっしゃるかと思います。今回は、そんな栄養ドリンクの成分にどれほどの効果があるのか見ていきましょう。
栄養ドリンクの成分
栄養ドリンクといっても最近は様々な種類がありますが、一般的にコンビニなどで売っている栄養ドリンクは以下のような成分をメインとしているものが多いようです。
・カフェイン
・ビタミンB1
・タウリン
また、微量のアルコールが含まれているものもあります。
栄養ドリンクで得られる効果
栄養ドリンクに含まれるカフェインは、ご存知のとおり、眠気を覚ましてくれます。そこで、どうしても眠気を追い払いたいときには有効ですね。また、アルコールも気分を高揚させるので、一時的に眠気などを忘れます。しかし、勘違いしてはいけないのは、ここで解消されているのはあくまでも感覚的な「疲労感」であり、実際の身体の「疲労」ではないということ。結局は疲労が蓄積されていきます。
では、いかにも体に良さそうなビタミンB1はどうでしょうか。ビタミンはたしかに不足してはいけない栄養です。そもそも栄養ドリンクが開発された背景にも、ビタミンB1不足による脚気という疾患の問題がありました。しかし、それも1960年代の話で、現在では、日本人の大半が食生活から十分なビタミンB1を摂取できていることがわかっています。そうなると、栄養ドリンクで補給する意味はなく、摂取した分は余剰物質となって、尿中に排出されます。栄養ドリンクを飲んだ後、尿がやたら黄色かった経験をお持ちの方も多いでしょう。つまり、よほどの偏食でない限り、この成分も特にメリットにはなりません。
最後に、タウリンの働きを見ます。肝機能を改善するという一部の働きだけ取り上げるといかにも疲労に効きそうなのですが、元々神経を鎮める働きの抑制物質であり、自発的な行動量の低下を招く可能性があることがわかりました。疲労回復を狙って飲むには、頼りないですね。
以上のようなことから、市販の栄養ドリンクとは、疲労感をまぎらわすものだと認識して飲むことが大事だといえます。
ケースに合わせて、必要な栄養を選んでうまく付き合っていきましょうね。